移乗練習(新人オリエンテーション)
2021年の新人オリエンテーションで重症者の移乗練習を行いました。実習生に呼び掛けたところ、全員が参加することになりました。
養成校によりますが、コロナ感染症の影響により、実技練習が少なくなり、オンラインの授業が増え、臨床実習が中止、または実習期間が短縮しています。
卒後教育においても、オンラインの研修や学会が継続され、接触を伴う実技練習を受けられる機会は限られるかもしれません。
新人療法士が先輩療法士の技術を体験した後、模倣し、上手くできないことを指導で修正することが、技術の習得につながると感じています。
【先輩療法士によるデモンストレーション】
【新人療法士と実習生のペア練習】
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リハビリテーション療法部のミーティング
リハビリテーション療法部では、第2・4週の金曜日に、全科で集まるリハミーティングを、第1・3・5週に各科(PT,OT,ST)ミーティングを行っています。
【リハミーティング】
病院全体やリハ関連業務に関することを伝達した後、感染対策やインシデントなど各委員会から報告があります。2021年の5月までは、17時以降にミーティングを行っていましたが、時間短縮勤務や子どもの迎えなどで残業が難しいスタッフもいるため、同年6月からは11時45分から開始するように変更しました。業務や感染対策、安全管理に関することを共有することが、仕事のミスや事故の再発を防ぐことになります。
【PTミーティング】
11:45各班に分かれてのディスカッション
各科ミーティングでは、患者の担当数や提供単位、症例検討会の必要性について話し合います。特に、新人療法士が担当している患者の評価や治療、退院支援ができているか確認します。また、普段の業務で気付いたことや改善策についても意見を交換します。理学療法科は人数が多いため、各班に分かれて話し合い、最後に集合して共有するようにしています。
11:55 PT科全体で輪になり、各班から話し合った内容を報告
リハミーティングは、参加人数が多く、伝達が中心となりますが、各科のミーティングは少人数に分かれて、ディスカッションする機会です。輪になって座り、リラックスして話しやすい雰囲気になるよう心掛けています。
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花見
山中渓の桜
当院から車で10分ほどのところに山中渓駅があり、その周辺は、1000本もの桜が並ぶ名所となっています。
毎年、4月に入職した新人療法士と、山中渓の花を見に行くようにしています。リハビリテーション療法部のスタッフは、堺市から和歌山県と様々な地域から通勤していますが、当院で医療を受ける患者は、泉州地域の方が大半です。
花見を楽しむためでもありますが、新人療法士が患者が住む地域を知り、好きになってもらいたいという気持ちもあります。
【当院の桜の下で撮影】
【山中渓の写真スポット】
【ライトアップされた夜桜】
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リハビリ予定表とセルフトレーニング
リハビリ予定表
リハビリの予定は、日曜から土曜日までの1週間単位で作成し、毎週土曜日に患者のベッドサイドに一覧を提示します。1日ごとに、リハビリの提供者(療法士)、開始時刻、提供時間を提示することで、スケジュールを把握できるだけでなく、リハビリの回数や予定時刻が患者の状態に応じているか随時見直すこともできます。例えば、疲労が強い患者にはリハ時間の間隔を空ける、合併症や服薬により朝の調子が悪い患者には開始時刻を遅めに調整するなど、患者に合わせたスケジューリングができます。
リハビリの担当療法士の構成や人数、リハビリ実施時間が決まれば、出勤者に合わせてリハビリ助手が予定を立てます。そして、患者の状態や機能回復に合わせた予定になっているか、担当療法士や管理職が確認して完成させます。リハビリ室でセルフトレーニング(予定表ではセルフと略)が行える患者は、その時間も予定表に提示します。
現在は、新型コロナ感染症対策により、面会やリハビリ室の見学は制限されていますが、以前は、ご家族がリハビリの時間に合わせて来院してはリハビリの様子を見学することや、リハビリの時間を避けて面会に来ることもできました。
各療法士も、1週間分の予定表が配布されると、どのような患者を代診するか事前にカルテから情報を調べ、担当療法士に確認することができます。また、文書作成や他職種と連携を取る時間を設けるなど、段取りよく業務を進めることができます。
【ベッドサイドに提示する患者の予定表例】
セルフトレーニング
患者の状態によりますが、療法士による個別のリハビリに加えて、リハビリ室でのセルフトレーニングの時間を設けることもあります。入院中のリハビリ時間を増やすことに加え、退院後も患者自身がひとりでできる運動を身につけ、習慣化することを目的にしています。
担当療法士が、患者に適したトレーニング内容を作成し、療法士やリハビリ助手が物品を準備し、患者を見守る中で行います。
患者自身がリハビリを「してもらう」のではなく、「自分で行うもの」という意識を強める機会になっていると思います。また、セルフトレーニングを頑張られている姿に、周りの患者のモチベーションが上がっているようにも感じています。
【セルフトレーニング例】
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グループと複数担当
グループ
リハビリテーション療法部では、感染予防や新人指導、業務・患者管理を目的に、グループをつくっています。一般病棟や回復期病棟の患者を担当する入院グループと、訪問リハやデイケアに従事する在宅グループに分かれています。
各グループ内で異なる経験年数の療法士を配置させ、多数の療法士が在籍する理学療法科では1グループ5~8人としています。休日も含めた365日体制でリハを提供しているため、出勤は交替勤務で、グループ内で休みを調整します。同じグループ内で患者を担当したり、代診を務めたりすることが多いため、新人療法士にとって指導を受けやすい体制です。
【グループ例】
複数担当
当院の一般病棟と回復期リハビリテーション病棟では、複数の療法士が担当し、ひとりだけで担当することはありません。
脳血管疾患の患者で、理学療法・作業療法・言語聴覚療法が処方された場合であっても、各療法士1名ずつの3名担当に限らず、障害の程度や自宅復帰に向けた目標に合わせて、より重点的に治療する療法にて複数担当とすることがあります。例えば、下肢の運動麻痺が主な問題で、自宅復帰に歩行の自立が重要課題となる場合、理学療法士が2人で担当することもあります。
整形疾患患者も同様に、上肢の障害が主問題で、家事動作の自立が求められる場合、作業療法士が2人で担当することもあります。
担当療法士の数は、リハビリの回数に準じることが多く、理学療法を1日に3回提供する場合、3人の理学療法士が担当します。経験年数が様々な担当者がいることで、ひとりでは気づけない問題や治療方法を共有することができます。
新人の間は、総合リハ実施計画書や情報提供書などの文書作成業務も、先輩療法士と一緒に担当する中で指導を受けることができます。他にも、カンファレンスや家屋訪問などの予定が調整しやすくなることや、担当療法士が急に休みとなった場合でも、他の担当療法士で補えることができます。
【複数担当例】
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症例検討会
多職種間の連携を深め、リハビリテーションの質を上げるために、3つの形式で症例検討会を行っています。 「担当者だけではなく、大阪リハビリテーション病院という組織で患者をみる」という意識のもと、建設的に意見交換をしています。
①ケーススタディー
各科それぞれで療法士が集まり、患者にリハを提供している場面で、評価や治療方法の確認や検討を行います。
②リハカンファレンス
各科の担当療法士とコーディネーター(司会・指導者)が集まり、治療方針や課題、目標について検討します。
③退院支援検討会
グループごとに療法士やコーディネーターが集まり、グループ内の担当患者における課題やチームアプローチ、退院支援について検討します。対象患者によっては、看護師やMSW(メディカルソーシャルワーカー)も参加しています。
【リハ部内症例検討会のイメージ図】
交替勤務のため、担当者全員の出勤日が揃うことは少なく、意見交換の場を確保することは簡単ではありません。これらの症例検討会を定期的に行うことで、グループ内の先輩と後輩の意見交換や担当者間の連携が深まると感じています。また、経験の浅い療法士にとって、臨床でどのような知識・技術が求められるか気付く機会にもなると考えています。
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勉強会と実技練習
勉強会
リハビリテーション療法部では、毎週火曜日の17時過ぎから30分程度、勉強会を行っています。勉強会では、症例報告や研究発表、講義や伝達講習を行っています。テーマや症例に合わせて、各科(理学・作業・言語)の療法士が合同で発表することもあります。
症例報告では、心身機能の改善や自宅復帰に難渋したことや、反対に、連携や退院支援がスムーズに行えたことを報告することもあります。他にも、自宅復帰に向けた福祉用具の導入や住宅改修の提案内容を検討し合うなど、類似症例のリハビリや支援に活かすよう情報共有しています。
研究発表では、毎年11月に行われる院内研究発表や院外の研修会・学会のプレ発表を行ったり、当院における人工関節患者の術前・術後の成績を報告することもあります。
勉強会のテーマは様々ですが、各療法士が共通の課題になっていること、慢性疼痛や人工膝関節置換術後の可動域、高次脳機能障害などについて調べたことを発表することもあれば、学会や研修会で学んだ事を伝達することもあります。
実技練習
理学療法科では、毎週金曜日の17時過ぎから30分程度、触診や治療技術を中心とした実技練習を行っています。現在、新型コロナウイルス感染症拡大により、オンラインでの研修会が中心で、接触を伴う実技指導を受けることが難しい状況です。そのような中、技術を高めたいと考えている療法士が多く、実技練習の機会を設けることをミーティングで提案されたことがきっかけとなりました。肩関節や手関節など上肢に関する触診では、作業療法科の療法士も参加しています。手根骨の触診から、手関節の掌背屈運動を練習するなど、臨床につながえられるような内容を行うようにしています。
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自己研鑽と資格
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学会発表・研修会
大阪府理学療法学会
第32回大阪府理学療法学術大会(2020年9月開催)では、理学療法士の三宅賢市が症例報告演題(口述)の演者として参加しました。発表演題は「歩行時の自覚的脚長差と殿部痛が軽減した人工股関節置換術後の症例」で、手術で脚長差はなくなったものの、自覚的に脚長差が残存した症例について報告しました。
新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、開催時期が延期となった上に、大阪国際会議場ではなく、ウェブ(オンライン)開催に変更となりました。そのため、ZOOMの使用やマイクを用いた発表練習を行い、バックパネルも製作しました。発表までの準備に長く時間を費やしましたが、大阪リハビリテーション病院の名前を背景に、無事に発表を終えることができました。
【バックパネル】
【症例報告演題】
【発表スライド(一部)】
阪南市・岬町理学療法士会の研修会
2020年12月に阪南市・岬町理学療法士会の研修会にて、理学療法士の南河大輔が講師を務め「胸腰椎圧迫骨折後のリハビリテーションにおけるマネジメント」について講義しました。
初めて開催するウェブ研修会であり、ZOOMを用いた研修会の形式や方法を、士会の先生方と相談しながら進めました。
参加者の反応が見えない中で、講義の内容が伝わっているか不安がありましたが、無事に終えることができ、全国の参加者からチャットで多くの質問・意見を頂くことができました。
【発表スライド(一部)】
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投稿者 医療法人社団 交詢医会 大阪リハビリテーション病院 | PermaLink
泉州リウマチコメディカルカンファレンス
当院には、関節リウマチを専門とする整形外科や内科の医師が在籍しており、日々の診療に加え、地域の医療スタッフにおける教育にも携わっています。そのひとつが「泉州リウマチコメディカルカンファレンス」で、泉州地域における多数の医師やコメディカルが参加されている研修会および意見交換会です。
日本リウマチ財団の教育研修単位としても認定されており、当院のリハビリテーション療法部においても、「日本リウマチ財団登録理学療法士・作業療法士」の取得を目指して参加している療法士がいます。
関節リウマチを専門とする医師や看護師、療法士が講師として招かれており、第5回(2020年12月12日)では、当院の作業療法士である徳冨寛子が演者を務めました。「関節リウマチによる手指尺側偏位に対するスプリントと作業療法」というテーマで講演し、スプリントによる手指機能や日常生活動作の改善について発表しました。
【第5回カンファレンスの案内】
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