今回は股関節の病気についてお話したいと思います。
股関節は骨盤(寛骨・かんこつ)と大腿骨からなる球状の関節で、動きが大きい(可動域が広い)ことが特徴です。体重を支えるだけでなく座ったり、立ち上がったり、飛び跳ねだり、ボールを蹴ったりする時に大事な役割を果たしています。
普段はあまり意識して使わない分、股関節を痛めると様々な状況で不具合を感じます。
股関節の主な病気に変形性股関節症や大腿骨頭壊死があり、最近ではスポーツ外傷としての股関節唇障害なども注目されるようになってきました。変形性股関節症の有病率は日本人では1.0~2.4%と言われています。また、高齢者の骨粗霧症が関連した骨折で大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折や転子部骨折)は脊椎圧迫骨折に次いで多く、手術を必要とすることが多いのが特徴で、高齢社会の我が国では今後も患者さまが増加することが予想されています。
股関節の病気の症状は様々ですが、変形性股関節症の場合、立ち上がり時や歩き股関節の病気と治療①立ち上がり時や歩き始める時に痛み始めの痛み、階段の上り下りの時の痛みが、はじめに出ることが多いと言われています。しかし、太ももの後ろや膝の内側に痛みが走る場合もあり、坐骨神経痛や膝の病気と思われることもあります。
日本人の変形性股関節症の特徴は、子供のころの先天性股関節脱臼や骨盤側の骨の。かぶり”が浅い臼蓋形成不全症が進行して変形になる患者さまが多いことです。このような患者さまの場合、ご家族や親戚に臼蓋形成不全や変形性股関節症の方がおられることも多いと言われています。また、大腿骨頭壊死はアルコール多飲やステロイドという薬を大量に使用された後に発症することがあります。以上に当てはまり股関節の病気が心配であればお気軽に病院にお越しください。
次回は変形性股関節症・大腿骨頭壊死の治療についてお話します。